17歳の愛猫との別れ「本当にこれでよかったのか」安楽死の決断と葛藤。

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みなさん、こんにちは。
ウィスコンシン州在住のゆうこです。

青々とした木々と、突き抜けるような青空、ウィスコンシン州もすっかり夏の陽気が続いています。アメリカでは独立記念日、日本では七夕と、夏らしい行事が続くこの時期に、わが家では17歳の愛猫との悲しいお別れがありました。

その子は私が結婚してアメリカへ来る前から夫が可愛がっていた猫で、常に夫の後をついて回る、夫の影のような存在でした…。
そして、いなくなってしまった今、家の中は、どこかぽっかりと穴が空いたようです。

目次

癌の発覚と、これまでの治療

この子が癌だと分かったのは、去年のことでした。
顎のあたりや体に小さな「しこり」を見つけ、かかりつけの病院へ行くと、「これは大きな病院で検査してもらった方が良い」とのこと。
そして、紹介された大学病院へ行き検査を受けると、悪性の腫瘍と判明。つまり『癌』です。
すぐに摘出手術を受け腫瘍は取れたものの、数ヶ月すると別の場所にまたできていました。

2回目の手術を受けましたが、「もう完全には取り切れない、また再発する可能性がある」と。
獣医さんから、抗がん剤治療という選択肢も提示されましたが、愛猫が17歳ということも考え、体に負担になる治療はせず、見守りながら過ごすことにしました。

弱っていく姿と安楽死という決断

穏やかな日々は、思っていたよりも早く終わりを迎えることに…

癌の進行と、弱っていく姿

ここ最近、お腹が少し膨らみ、トイレも失敗するようになったので心配になり、再度、病院で検査を受けることに。
すると、癌が全身に転移し、進行しているとのこと。
獣医さんからは「もう、あまり長くないかもしれません…今後は病院で積極的に治療するよりも、お家で緩和ケアをしてあげるのが一番だと思います」と言われました。

日に日に食欲が落ち、固形物も口にしなくなり、お気に入りのマットの上で丸くなって過ごす時間が増えていきます。筋肉もあっという間に落ち、毛のツヤも消え、毛繕いをする姿も見なくなりました。

そんな姿を見ていても、「まだ、もしかしたら明日はご飯を食べて、元気になるかもしれない」と期待している自分がいました。

けれど、心のどこかでは感じ始めていました。「もう、以前のように元気になることはない。来るときが来たんだ。この子はこの年まで、精一杯生きてくれたんだ」と。そう思うようになるほど、この子は目に見えて弱っていきました。

夫との話し合い「安楽死」という選択

アメリカでは、ペットが自然に旅立つのを見守るよりも、安楽死(euthanasia)ユーサネージャという選択肢が一般的に浸透しているように感じます。日本でペットを飼っていた時は、自然に旅立つのを見守るのが当たり前だと思っていたので、私にとっては重い選択でもありました。

いつも夫にくっついて歩き回り、寄り添って寝ていた子が、夫の後を追わなくなり1匹でひっそりと隠れて過ごすように。私と夫は、いよいよその時が迫っている…と感じ「このまま、その時が来るのを見守るか、安楽死を考えた方がいいのか」を話し合いました。

夫の決断は、「この子が苦しまないのが一番…(つまり安楽死)」でした。

私自身、安楽死を経験するのは初めてのことでした。これまで私が見送ってきたペットたちは、みんな自然にその時を迎えるのを見守ったので、「安楽死」を決断するタイミングも、本当に苦しくつらいものでした。
この決断は、本当にこの子のためなのか、自分達のためなのではないか…と何度も自問しましたが、今でもどちらが良かったのかはわかりません。

安楽死を考える目安 ― HHHHHMM(ふーむ)スケール

まだ、安楽死を決断できずにいたころ、安楽死について調べると「HHHHHMM(ふーむ)スケール」というチェックシートなるものを見つけました。
「HHHHHMM(ふーむ)スケール」とは、アメリカの獣医師アリス・ヴィラロボス博士(Dr. Alice Villalobos)が考案した、ペットのQOL(生活の質)や幸福度を測るための評価基準です。
それぞれの項目を0から10点で評価し、合計点で判断します。

5つの「H」と2つの「M」から始まる7つの項目で構成されています。
Hurt(痛み):痛みがなく、楽に呼吸ができているか
Hunger(飢え):十分な食事ができているか
Hydration(水分):脱水症状を起こしていないか
Hygiene(衛生):体を清潔に保てているか
Happiness(幸せ):喜びや楽しさを感じられているか
Mobility(可動性):自分で動けるか、介助して動けるか
More good days than bad days(良い日と悪い日):調子の良い日の方が多い

日本ではまだあまり一般的ではないようですが、園田開獣医師が日本語で分かりやすく書かれています。

実際にこの子の様子を思い浮かべながら、自分でも点数を出してみました。
すると、かなり低い点数になり、安楽死を考える目安とされる数値だったことに、がっくしきたことを覚えています。

自宅での最期の日

安楽死は、かかりつけの獣医さんではなく、専門の獣医師が自宅へ訪ねてペットの安楽死処置を行ってくれるところへお願いすることにしました。とても苦しい決断ですが、まずは電話で相談をしてから予約を取りました。

当日、愛猫のこれまでの病歴や、ここ数日の様子を丁寧に聞きとり、この子が辛い状態なのかどうかを診察してくれる獣医師。改めて、この先回復する兆候がない…と診断されると、安楽死がどのように行われるかの説明を受けました。鎮静剤を打ってから、どのくらいで眠りにつくのか、痛みを感じることはないのか、そういったことも一つひとつ丁寧に。

いよいよ鎮静剤が打たれ、静かに愛猫が眠りました。その時、正直に言うと、私は少しほっとしました。
「愛猫は長い闘病生活の辛い状態から、やっと解放されたかもしれない…」

その後、最後のお別れを家族全員で伝えて、愛猫は永遠の眠りにつきました。
穏やかな最期の時でした。

さいごに…

長年そばにいてくれた家族を失うことは、何年経っても慣れることではありません。この安楽死の決断が本当に正しかったのかどうか…答えは出せません。

それでも、この子が最期まで、家族に見守られながら穏やかに過ごせたことだけは、確かだったと思います。
17年という時間、愛猫が夫や私たち家族に与えてくれたものは、言葉にしきれません。

しばらくは、この子と一緒に過ごしてきた時間を、ずっと考えるのだと思います。それでも、その思い出がいつか穏やかな気持ちで振り返れるものになればいいなと思います。

ペットを飼っているみなさん、今一緒にいられる時間をたくさん可愛がってあげてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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この記事を書いた人

福岡県生まれ、東京都調布市育ち。
2018年に結婚を機にアメリカ・ウィスコンシン州へ移住しました。
現在はアメリカ人の夫、2人の子ども、猫3匹、そして愛馬と暮らしています。
このブログでは、ウィスコンシンでの暮らしや子育て、アメリカで馬オーナーになった経験、愛馬の健康管理など、実体験をもとに発信しています。

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